Postmortem(ポストモーテム) TAGIRI1.0.0


CEDEC2006の「日本での開発情報の共有のあり方の行方と具体化の方策」というラウンドテーブルで紹介されたPostmortemという反省会を、TAGIRI1.0.0プロジェクトで行ってみました。


Postmortemは検死解剖という意味の単語です。
死んだプロジェクトのどこが悪かったのかを解剖して調べる???って死んでませんよ?(笑)
と、別に死んだプロジェクトに有効な反省会ではなくて、どんな状態のプロジェクトでも有効に使える手法です。


まず、Postmortemのやり方を知らないといけない訳ですが、
WEBにしろ書物にしろ日本語資料が非常に少ない。
WEBで参考にしたのがこちら「ポストモーテムしていますか?
書籍ではこちらに1ページだけ書かれています。

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)

こちらの書籍にはPostmortemの詳細として英語サイトが紹介されていました。英語が出来る方はこちらで調べるのが良いと思います。「scottberkun.com

今回はある程度情報を集めつつ、初めてなのでシンプルにアレンジしてやってみました。
やる事、やってはいけない事として、このようにまとめました。


【やる事】
 ・良かった点を出す。そしてもっと良くする方法を出す。
 ・悪かった点を出す。そして改善する方法を出す。


 ・上の項目を月ごとに洗い出す(7月〜10月)
 ・上の項目を洗い出す為に社内ミーティングの議事録を使用する
 ・資料を作成し公開(社内)する


【やってはいけない事】
 ・悪かった点での個人攻撃
 ・悪かった点を指摘された時に必要以上に恐縮しない


初めてのPostmortemという事もあり、「出来事→改善案」の洗い出しというシンプルな形にしました。
そして、実践。


メンバーは当プロジェクトの4名と、他プロジェクトから今後の参考にしたいと2名が参加して、合計6名。
会議室のテーブルの上には、議事録をまとめた資料、各人が用意した飲み物、そしてエンジニアの一人が差し入れてくれたPastelのケーキ
ホワイトボードにはプロジェクターで同じく議事録を表示し、上げられた項目も逐次画面に追加されていきます。


そして、開始。
4ヶ月を月ごとに思い出していきます。
こんな事があったね?あんな事があったね?そういえばあの時事件が・・
あの時はどうすればよかったのか?
のような感じでみんなで思い出していきます。
時間は2時間と設定し、各月を30分づつでこなしていきました。


今回のPostmortemで多くの問題点と解決案が出ました。
そして、開発時にはうやむやにしてしまった問題点などもここで掘り起こせました。
これはかなり次の作業に生かせます。


またPostmortemの難しさも知りました。
問題点を出すときにどうしても個人攻撃をしているような感覚になってしまう事と、
問題点の当事者が反省してしまい恐縮する事。
事前に注意しつつもなかなか難しいです。
大切なのは改善案を出す事なので、どうやったらドライに進められるか?
これは次回行うPostmortemの課題になります。